食料クライシス

2030年は、食料クライシスが起こるかの分岐点であるといわれています。
2050年には世界人口は86億人に達し、一方で、地球温暖化の進行に伴い、世界的に異常気象が頻発しています。

温暖化が進むとイネ・コムギ・ダイズなどの主要穀物の生産の伸びは鈍化し、このままでは、2050年に必要とされる食料を賄うことができません。

 

 

 

目指すべき未来

2030年、そして2050年以降も豊かな食文化を維持できるように、本プロジェクトは、持続的な食料供給が可能な社会の実現に貢献します。

植物は、無機物から有機物を作り出すことのできる唯一の高等生物です。
植物が作り出す様々な物質を利活用することで人類の社会は成り立っています。
なかでも、植物は、私たち人類の食料供給の根幹でもあります。

本プロジェクトでは、このように社会を支える植物の潜在力を最大限に引き出し、食料リスクゼロを実現させます。

 

 

作物開発技術のパラダイムシフト

本プロジェクトでは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたサイバーフィジカルシステム(Cyber-Physical System: CPS)を利用して、作物サイバー強靭化技術を確立します。

これにより、目的に合わせた作物をサイバー空間でデザインして迅速に作り出せるよう、従来技術からのパラダイムシフトを実現させます。

 

 

「植物の力」で切り拓く未来

私たちが目指す作物サイバー強靭化技術は、環境ストレスへの耐性だけでなく、カーボンニュートラルに向けた温暖化ガスの削減や新素材の開発など、あらゆるニーズに応える作物を迅速に開発できる技術です。

植物が持つ力をフル活用することで、無機物から様々な素材や物質を作り出すことも可能にし、社会を構成する多くの分野での活用が期待できます。

農業、畜産業、水産業、林業、食品産業はもとより、工業、医療、さらには地球温暖化や海洋汚染など環境問題にも貢献できます。